インハウスデザイナーの志望動機|未経験で採用側が見ていたこと


事業会社のデザイナー求人に出したいけど、志望動機に何を書けばいいのか…

「御社のサービスが好きです」って書くしかない気がする…
AKI事業会社で採用する側にいたとき、未経験の人の志望動機をどう読んでいたかをそのまま話します。応募する側が思っているより、志望動機の「文」そのものの比重は小さかったんです。
事業会社(インハウス)のWebデザイナー求人を見つけて、応募しようとしたところで志望動機の欄に手が止まる。制作実績のない未経験の立場だと、書けることが「サービスが好き」くらいしか浮かばない。ネットの例文は制作会社向けのものが多く、そのまま使っていいのかも分からない。応募する側だったら、私もきっと同じところで迷っていたと思います。
私はWebデザイナーとして10年以上働いてきて、自分自身も事業会社の中でデザインの仕事をしてきました。採用に携わってきた5年のあいだに、Webデザイナー志望者の面接も担当しています。この記事で答えるのは、「事業会社の採用担当は、未経験の人の志望動機のどこを見ているのか」という1つの問いだけです。志望動機の型や前職別の例文は、別の記事にまとめています。
先に答えを書いておくと、私が見ていたのは志望動機の文のうまさより、「この人は社内で続けていけそうか」でした。そして、それを志望動機の欄だけで判断していたわけではありません。
※ここで書いているのは、私が事業会社で採用に関わっていた範囲の話です。制作会社の採用基準は見ていないので、制作会社を受ける場合の書き方は別の記事を参考にしてください。
※料金・制度などは、特に断りがない限り2026年10月時点の公式サイトなどの情報です。
事業会社の採用担当は、志望動機の文だけで判断していなかった
未経験の人の志望動機を読むとき、私がいちばん知りたかったのは「この人は入社してから続けていけそうか」でした。いわゆる継続力です。
ただ、継続力は志望動機の数行からはなかなか読み取れません。「長く働きたいです」と書くことは誰にでもできるからです。そこで私は、志望動機だけでなく、経歴・取った資格・趣味まで幅広く見て、続ける力があるかを判断することが多かったです。
✅ 継続力を判断するときに見ていたところ
- 経歴:前の仕事でどう過ごしてきたか。Webと関係のない仕事でも見ていた
- 取った資格:何を目指して、どこまでやり切ったか
- 趣味:仕事と関係なく、自分で続けてきたものがあるか
- 志望動機:上の3つと話がつながっているか
応募する側からすると、資格欄や趣味欄はおまけのように感じるかもしれません。でも採用する側としては、そこに書かれたものが、志望動機の言葉を裏づける材料になっていました。志望動機だけを何度も書き直して、ほかの欄は空けたまま出してしまうのは、正直少しもったいないと感じます。
Webと関係のない経歴や趣味でも、材料になる
未経験の人は、Webに関係のある経歴がないことを気にしがちです。ただ、私が経歴や趣味から見ていたのは、Webの知識の量ではありませんでした。何かを自分で始めて、続けてきた跡があるかどうか、です。
なので、デザインと関係のない資格や趣味でも、書ける範囲で具体的に書いておくといいと思います。何をきっかけに始めて、今どこまで来ているか。それが1行あるだけで、志望動機に書いた「続けたい」という言葉の重さが変わって見えるはずです。
📌 関連記事:未経験Webデザイナーの志望動機の書き方|採用担当が「通る例文」と評価ポイントを解説 — 志望動機の型と、前職別の例文はこちら
「御社のサービスが好き」は、エピソードがあるかで受け取り方が変わる
AKI「サービスが好き」と書くこと自体は、悪くないんです。分かれ目は、その「好き」の中身が見えるかどうかでした。
事業会社に応募する未経験の人の志望動機で、よく見かけたのが「御社のサービスが好きで」という書き出しです。自社のサービスを持っている会社なので、そこに惹かれて応募するのは自然なことだと思います。
私の受け取り方ははっきり分かれていました。具体的なエピソードがあればプラス、薄ければ形だけの志望動機と判断していました。
エピソードが「具体的」とはどういうことか
具体的かどうかは、その人にしか書けない話になっているかで見分けられます。応募先の会社名を別の会社に入れ替えたら、そのまま通じてしまう文。それが、私が「薄い」と感じていた志望動機の形です。
- いつ、どんな場面で使ったか:自分がそのサービスに出会ったきっかけ
- 何がよかったのか:画面の分かりやすさ、届いたメール、店頭の案内など、自分が触れた部分
- デザイナーとして何をしたいか:その体験とつながる、入社後に関わりたい部分
大げさな体験である必要はありません。普段使っていて「ここが助かった」と感じた一場面で十分です。逆に、サービスの説明を会社のサイトから書き写したような文は、どれだけ丁寧でも「好き」の中身が伝わってこないんですよね。
もし今、応募先のサービスを使ったことがないなら、応募の前に一度使ってみるのも手です。自分の体験が1つあるかないかで、書ける文がまったく変わってきます。
制作会社向けと同じ志望動機で出したら、どう見られる?
未経験で応募するとき、制作会社と事業会社の両方に出す人は多いと思います。そのとき、制作会社向けに書いた志望動機をそのまま事業会社にも使ってしまうことがあります。
これについては、未経験の人なら私は許容していました。未経験のうちは、制作会社と事業会社の違いが分からないこともあると思っていたからです。同じ文面だというだけで、評価を下げることはありませんでした。
事業会社では実現が難しいことが書かれていたら、面接で伝える
ただし、志望動機に書かれた「やりたいこと」が、事業会社では実現が難しい内容だった場合は別です。そのときは面接の場で、素直にそう伝えていました。
たとえば「いろいろな業界のクライアントのサイトを、数多く手がけたい」という志望動機は、制作会社向けとしては自然です。でも事業会社のデザイナーは、基本的に自社のサービスを担当し続けます。入ってから「思っていた仕事と違う」となるより、面接の時点で知っておいてもらったほうが、応募した人にとってもいいと考えていました。
なので、同じ文面で出すこと自体を怖がる必要はないと思います。ただ、送る前に「この会社の中で、この志望動機に書いたことは実現できるか」を一度だけ見直しておくと、面接でのやり取りがずいぶん変わるはずです。
📌 関連記事:インハウスデザイナーはつまらない?事業会社の中で起きていること — 事業会社の中のデザイナーが、実際にどんな仕事をしているか
応募先の社内にデザイナーがいない場合に、入る前に確かめておきたいことはこちらです。
社内にデザイナーがいない会社に未経験で入っていい?|入る前に確かめたい3つのこと
インハウスデザイナーの志望動機、応募する側の思い込みと採用側のずれ
ここまでの話を、応募する側が思っていそうなことと、私が採用する側として見ていたことに分けて並べるとこうなります。
| 応募する側が思っていそうなこと | 事業会社の採用側として見ていたこと |
|---|---|
| 志望動機の文がうまければ通る | 経歴・資格・趣味まで見て、続ける力があるかを判断していた |
| 「サービスが好き」と書けば熱意が伝わる | 具体的なエピソードがあればプラス、薄ければ形だけと受け取っていた |
| 制作会社向けと同じ文面だと落とされる | 未経験なら許容。事業会社で実現が難しい内容なら、面接でそう伝えていた |
こうして並べると、応募する側が力を入れがちな「文の仕上がり」と、採用する側が見ていたところは少しずれています。志望動機を何度も書き直すより、志望動機を支える材料を履歴書のほかの欄にそろえるほうが、私の見ていた範囲では伝わりやすかったです。
事業会社向けに見直す3つの手順
- 資格欄と趣味欄を埋める:Webと関係がなくても、続けてきたものを具体的に書く
- 「好き」にエピソードを1つ足す:応募先のサービスを使った場面を、自分の言葉で1〜2文
- 「やりたいこと」を応募先に照らす:自社のサービスを担当し続ける環境で、それが実現できるかを確かめる
どれも、文章力が必要な作業ではありません。自分の過去と、応募先のサービスを見直すだけでできることです。ポートフォリオの準備がまだ途中でも、ここは今日から手をつけられます。
📌 関連記事:未経験Webデザイナーが面接で採用される方法|採用担当5年が落ちる理由と通過する人の違いを正直に話します — 面接全体で見られるところと、落ちる人のパターン
書いた志望動機を、誰かに読んでもらう
自分で書いた志望動機は、自分で読むと具体的に見えてしまうものです。「会社名を入れ替えても通じる文」になっていないかは、第三者に読んでもらうのがいちばん確かだと思います。家族や友人でも構いませんが、選考の書類として読み慣れた人に見てもらえるなら、それに越したことはありません。
スキルの勉強と一緒に、応募書類や面接の準備も相談したい人には、Winスクールという選択肢があります。受講生・卒業生向けの就職・転職サポートとして、提携する転職サービスのキャリアアドバイザーによる履歴書・職務経歴書の添削や、模擬面接のアドバイスが用意されています。コースの中には「社内デザイナー育成コース」という名前のものもあり、バナー制作やLP制作、SEOの知識など、事業会社の中で任されやすい仕事に寄せたスキルが並んでいます。無料カウンセリングは来校かオンラインで、所要時間は約1時間です。
※出典:Winスクール公式サイト「就職・転職サポート」「無料カウンセリング・受講相談のご案内」「社内デザイナー育成コース」

よくある質問
Q:インハウスデザイナーの志望動機で、未経験の人は何を書けばいいですか?
A:事業会社で採用に関わっていたとき、私が知りたかったのは「この人は社内で続けていけそうか」でした。志望動機だけでなく、経歴・資格・趣味まで見て判断することが多かったので、志望動機の文を磨くより、ほかの欄に続けてきたものを具体的に書いておくほうが伝わりやすいと思います。
Q:「御社のサービスが好き」という志望動機は弱いですか?
A:書くこと自体は悪くありません。私は、具体的なエピソードがあればプラス、薄ければ形だけの志望動機と受け取っていました。いつ、どんな場面でそのサービスを使って、何がよかったのか。自分にしか書けない一場面を足すだけで、受け取られ方が変わります。
Q:制作会社と事業会社で、志望動機を書き分けないと落ちますか?
A:未経験の人なら、違いが分からないこともあるので、同じ文面でも私は許容していました。ただ、事業会社では実現が難しい内容が書かれていた場合は、面接でそう伝えていました。出す前に、書いた「やりたいこと」が応募先の会社の中で実現できるかを一度見直しておくと安心です。
Q:Webと関係のない資格や趣味も、書いたほうがいいですか?
A:書いておくといいと思います。私が経歴や趣味から見ていたのは、Webの知識の量ではなく、自分で始めて続けてきた跡があるかどうかでした。何をきっかけに始めて、今どこまで来ているかが分かるように書くと、志望動機の言葉を裏づける材料になります。
まとめ:事業会社の志望動機は、ほかの欄とセットで読まれている
AKI志望動機の欄だけで勝負しなくていいです。これまで続けてきたことと、応募先のサービスに触れた体験。その2つがあれば、未経験でも話は組み立てられます。
- 事業会社の採用で見ていたのは、志望動機の文のうまさより「社内で続けていけそうか」
- 継続力は、志望動機だけでなく経歴・資格・趣味まで幅広く見て判断していた
- 「サービスが好き」は、具体的なエピソードがあればプラス、薄ければ形だけ
- 制作会社向けと同じ文面でも、未経験なら許容。事業会社で実現が難しい内容なら面接で伝えていた
- 出す前に、資格欄・趣味欄・「やりたいこと」を応募先に照らして見直す
志望動機を完璧な文章にしようとして、応募そのものが先に延びてしまうのはもったいないと感じます。小さく動けば十分です。今日のうちに、応募したい事業会社のサービスを一度使ってみて、「ここが助かった」と感じた場面を1つメモしてください。あわせて、履歴書の資格欄と趣味欄に、続けてきたものを1行ずつ書き足してみる。それだけで、出す志望動機の中身はずいぶん変わるはずです。
関連記事
- 未経験Webデザイナーの志望動機の書き方|採用担当が「通る例文」と評価ポイントを解説 — 志望動機の型と前職別の例文
- インハウスデザイナーはつまらない?事業会社の中で起きていること — 入社したあとの事業会社の中のこと
- 未経験Webデザイナーが面接で採用される方法|採用担当5年が落ちる理由と通過する人の違いを正直に話します — 面接で見られるところ全体
- コーディングができない未経験Webデザイナーは採用されない? — 応募の時点でコーディングをどこまで見せるか


ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません
スクールの料金・口コミ
学校ごとの総額と、受講した人の声
12校をまとめて比べる
新着記事
Webデザイナーに資格は必要?|採用側から見た3つの資格の違いと選び方
Webデザイナーに資格は必要か。技能検定・Webクリエイター能力認定試験・Web ...ポートフォリオ選考とは?書類選考・面接とのつながりと落ちる理由|採用側の視点
ポートフォリオ選考とは何か。書類選考や面接とどうつながるのか、落ちやすいパターン ...安いWebデザインスクールで転職できる?|採用側から見た、料金で削られるものと補い方
安いWebデザインスクールで、未経験の転職までいけるのか。採用に携わってきた立場 ...未経験からUI/UXデザイナーになれる?|Webデザイナーとの違いと採用側から見た強み
未経験からUI/UXデザイナーになれるのか。Webデザイナーとの違いと、採用に携 ...Webデザイナー検定は転職に有利?|採用側から見た評価と、ほかの資格との違い
Webデザイナー検定は、未経験の就職・転職で有利になるのか。採用に携わってきた経 ...カテゴリー