社内にデザイナーがいない会社に未経験で入っていい?|入る前に確かめたい3つのこと


内定をもらった会社、デザイナーが私しかいないみたい…

未経験なのに、教えてくれる人がいなくて大丈夫かな…
AKI入ってはいけない、ということはありません。ただ、社内に教わる人や評価してくれる人がいない分を、どう埋めるかは入る前に考えておいたほうがいいです。
未経験でWebデザイナーの求人に応募していると、「社内で初めてのデザイナー募集」「デザイナーは現在いません」と書かれた事業会社の求人に出会うことがあります。採用のハードルが低めに見える一方で、入ったあとに誰から学べばいいのか、自分のデザインが合っているのかを誰が見てくれるのか。そこが気になって、応募や内定承諾に迷う人は多いと思います。
私はWebデザイナーとして10年以上働き、自分自身も事業会社の中でデザインの仕事をしてきました。情シスの責任者として社内の予算や工数の付き方を見てきたこと、採用に携わってきた5年のあいだにWebデザイナー志望者の面接も担当したこと。この記事は、その3つの立場から、「社内にデザイナーがいない会社に、未経験で入っていいのか」という1つの問いに答えます。
先に答えを書いておくと、入っていい。ただし、教わる人と評価する人がいないことを分かったうえで、社外に見てもらう場所を自分で用意できるなら、です。入る前に面接で確かめておきたいことも、3つにまとめました。
※ここで書いているのは、事業会社の中でデザインの仕事をしてきた範囲の話です。制作会社の中のことは見ていないので扱いません。
※料金・制度などは、特に断りがない限り2026年10月時点の公式サイトなどの情報です。
社内にデザイナーがいない会社でも、未経験で入っていい理由
事業会社のデザイナーの仕事は、もともと社内に専門の人が多くない環境で進むことが少なくありません。依頼してくるのはマーケティングや営業、広報の人たちで、デザインの専門家ではありません。デザイナーが自分しかいない会社でも、依頼の来方そのものは、事業会社のデザイナーの仕事のもともとの形とそれほど変わらないと考えています。
それに、事業会社にいるからこそ伸びるものもあります。同じ事業に長く関わるので、事業の理解や数字の読み方、社内の調整、運用を前提にした設計といった力は、むしろ溜まりやすい。デザイナーが自分しかいない環境なら、なおさら社内のいろいろな人と直接やり取りすることになります。
採用面接でも、事業会社の制約の中で自分から動いた話は強い材料になっていました。たとえば「素材がなかったので自分で撮影もしました」「イラストがなかったので自分で描きました」という話です。こういう話は、制約の多い環境にいたからこそ出てくるものです。
デザイナーがいない会社で、未経験の人が困りやすいこと
一方で、未経験の人が最初の職場として選ぶときに、知っておいてほしい難しさもあります。どれも本人の力不足ではなく、環境から来るものです。
自分のデザインが合っているのか、判断してくれる人がいない
いちばん大きいのはここです。社内に評価できる人がいないと、返ってくるのは「良い・悪い」の理由ではなく、通ったか通らなかったかだけになります。頑張って上手くなっても、上手くなったことに気づく人が社内にいない。続けているうちに、自分の判断が合っているのかが分からなくなってくるのが、いちばんしんどいところだと思います。
経験のある人なら、それまでの物差しで自分を見られます。未経験で入ると、その物差しを作る前に一人になってしまう。ここが、経験者が1人目として入る場合との大きな違いです。
依頼が「好み」のまま、口頭で降りてくる
社内にデザイナーがいると、外に発注するときのような見積もりや要件の整理、稟議の手順がなくなります。私のところに来ていた依頼も、打ち合わせの場での口頭が中心でした。多かったのは「ここを赤字で強調して」「もっと大きく」といった、依頼する人の好みをそのまま渡される形です。
デザインの専門家が社内にいないと、こうした依頼に「目的は何ですか」と聞き返す役も自分になります。未経験のうちは、聞き返していいのかどうかも迷うはずです。
デザイン以外の仕事も「できる人」として集まってくる
情シスの責任者として社内の予算や工数の付き方を見ていて感じたのは、デザイナーがどの部署に置かれるかで、届く依頼の質が変わることです。管理部門やコーポレート側に置かれると、社内資料や説明会の体裁といった依頼が集まりやすくなります。悪気があるわけではなく、その人に頼むのが早いからです。
📌 関連記事:インハウスデザイナーはつまらない?事業会社の中で起きていること — 事業会社の中で雑用化が起きる理由
入る前に、面接で確かめておきたい3つのこと
入ってから「思っていたのと違う」とならないように、面接の逆質問などで次の3つを確かめておくと判断しやすくなります。
- デザイナーはどの部署に置かれるのか:事業部の中か、管理部門やコーポレート側か。届く依頼の中身がここで変わる
- 依頼はどんな形で来るのか:口頭か、目的や対象が書かれた依頼か。「どんな依頼が多いですか」と聞くだけでも様子が分かる
- 作ったものに意見をくれる人はいるか:デザイナーでなくてもいい。マーケティングの担当者や、外部の制作会社と一緒に仕事をする機会があるか
3つ目で「意見をくれる人」がはっきりいるなら、未経験でも入ってから育ちやすい環境です。反対に、3つとも曖昧な答えしか返ってこないなら、入ったあとに自分で埋める部分が多くなると考えておいたほうがいいと思います。それでも入るなら、次の章の準備をセットにしてください。
入ると決めたら、社外に「見てもらう場所」をつくる
社内に評価できる人がいないなら、評価してもらう場所を社外に持てばいい。これが、デザイナーがいない会社で未経験から伸びていくための、いちばん現実的な方法だと考えています。
- 依頼の入口で、目的を1行もらう:「誰に・何をしてほしくて・いつまでに」の3つだけでも書いてもらう
- 変える前と後の数字を、自分用に記録する:社内で評価されなくても、自分の判断が合っていたかを確かめる材料になる
- 年に1本、目的から自分で決めた制作物をつくる:判断する力が鈍っていないかを確かめる
- 社外のプロに、定期的に作品を見てもらう:社内にない「なぜ良いか・なぜ悪いか」の物差しを外から借りる
1つ目は、相手がいることなので思ったほど定着しないこともあります。そのぶん、2つ目と3つ目のように一人で始められることを先に習慣にしておくと安心です。記録を残しておけば、いつか転職を考えたときにも、何を考えて何をやったかを説明する材料になります。
4つ目の「社外のプロに見てもらう」は、仕事の作品をそのまま外に出せないことも多いので、練習用の課題や自主制作で続けるのが現実的です。月額で動画の授業とプロの添削を受けられるサービスなら、入社後も働きながら続けやすいと思います。
その一つがrimomo(リモモ)です。現役のデザイナーが、提出したデザインや課題を添削してくれます。料金は月額9,800円から(プランによって変わります)で、7日間の無料お試しがあり、お試し期間中もすべての授業を見られます。社内に意見をくれる人がいない人が、外の物差しを持つための場所として使いやすいサービスです。
※出典:rimomo公式サイト(料金・添削・無料お試しの案内)

📌 関連記事:インハウスデザイナーの志望動機|未経験で採用側が見ていたこと — 事業会社に応募するときの志望動機
よくある質問
Q:社内にデザイナーがいない会社に、未経験で入っても大丈夫ですか?
A:入ってはいけないわけではありません。ただ、社内に教わる人や評価してくれる人がいないことを分かったうえで、社外に作品を見てもらう場所を自分で用意できるかが分かれ目です。入る前に、デザイナーの置かれる部署・依頼の来方・意見をくれる人の有無を面接で確かめておくと判断しやすくなります。
Q:デザイナーが自分しかいない会社で、いちばん困ることは何ですか?
A:自分のデザインが合っているのかを判断してくれる人がいないことです。返ってくるのが通ったか通らなかったかだけになり、続けるうちに自分の判断に自信が持てなくなりやすい。変える前と後の数字を自分で記録したり、社外のプロに定期的に見てもらったりして、物差しを外から持つのがおすすめです。
Q:面接で何を確かめればいいですか?
A:デザイナーがどの部署に置かれるのか、依頼がどんな形で来るのか、作ったものに意見をくれる人がいるのか、の3つです。意見をくれる人はデザイナーでなくても構いません。マーケティングの担当者や、外部の制作会社と仕事をする機会があるかも聞いてみてください。
まとめ:入っていい。社内にない物差しを、外に持つ準備をセットで
AKIデザイナーが自分しかいない環境は、裏を返せば、社内のいろいろな人と直接仕事ができる環境でもあります。足りないのは物差しだけ。そこを外に持てれば、未経験の最初の職場としても十分やっていけると思います。
- 社内にデザイナーがいない会社でも、未経験で入っていい。事業の理解や社内調整など、伸びる力もある
- 困りやすいのは、判断してくれる人がいないこと・依頼が好みのまま来ること・デザイン以外の仕事が集まること
- 入る前に、デザイナーの置かれる部署・依頼の来方・意見をくれる人の有無を面接で確かめる
- 入ると決めたら、目的を1行もらう・数字を記録する・自主制作を続ける・社外のプロに見てもらう
迷っているうちに、応募の期限や内定の返事の期限は来てしまいます。全部を決めきる必要はありません。小さく動けば十分です。まずは応募先か内定先に、「入社後はどんな依頼が多いですか」「作ったものを見てくれる方はいますか」の2つだけ聞いてみてください。返ってきた答えで、入ったあとに自分で埋める部分がどれくらいあるかが見えてきます。
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