Webクリエイター能力認定試験は転職に有利?|採用側から見た資格の評価


Webクリエイター能力認定試験を取れば、未経験でもWebデザイナーに転職しやすくなるのかな…

スクールの講座にも対策コースがあるけど、受けておいたほうがいいんだろうか…
AKI資格で採否が決まることはほとんどありませんでした。ただ、この試験はHTMLとCSSを扱うので、採用側から見ると少し違う意味を持つと思っています。
未経験からWebデザイナーを目指して資格を調べていると、「Webクリエイター能力認定試験」という名前をよく見かけると思います。スクールのコースの中に対策の講座が入っていることも多く、取っておけば転職で有利になるのか、気になりますよね。
私はWebデザイナーとして10年以上働き、採用に携わってきた5年のあいだに、Webデザイナー志望者の面接も担当しています。この記事で答えるのは、「Webクリエイター能力認定試験は、未経験の就職・転職で有利になるのか」という1つの問いです。
先に答えを書いておくと、資格があるかどうかで採否が決まることは、私が見てきた範囲ではほとんどありませんでした。評価の中心は、ポートフォリオと、作品について本人が話す内容です。そのうえでこの試験は、デザインツールだけでなく「コードにも触れている」ことを示す材料として、書いておく意味があると考えています。
※ここで書いているのは、私が事業会社で採用に関わっていた範囲で、資格欄をどう読んでいたかという話です。試験の内容や申し込みの手続きは、試験を実施している団体の案内を確かめてください。
※料金・制度などは、特に断りがない限り2026年10月時点の公式サイトなどの情報です。
Webクリエイター能力認定試験とは
Webクリエイター能力認定試験は、Webサイト制作に必要なデザインの力と、HTML・CSSでWebページを組み立てるコーディングの力を認定する試験です。中心になるのは、実際にコードを書いてページを作る実技の問題です。デザインツールの操作ではなく、「コードでページを作れるか」が見られます。
主催しているのは、資格検定を行う民間の会社のサーティファイ(Web利用・技術認定委員会)です。級は「スタンダード」と「エキスパート」の2つです。個人で申し込む公開試験は、自宅などの個室からパソコンで受ける「リモートWebテスト」の形式です。
- スタンダード:試験時間60分。実技問題の得点率65%以上で合格。受験料6,400円(税込)
- エキスパート:試験時間110分。知識問題と実技問題の合計の得点率65%以上で合格。受験料8,000円(税込)
- 結果:受験からおよそ3週間で送られてくる
※出典:サーティファイ「Webクリエイター能力認定試験」公式サイト
名前が似ている「ウェブデザイン技能検定」は、国の技能検定制度の職種の一つで、合格すると「技能士」と名乗れる国家検定です。採用の場での扱われ方は、こちらにまとめています。
📌 関連記事:ウェブデザイン技能検定は就職・転職に有利?|採用側から見た資格の扱い — 国家検定の技能検定が、採用でどう読まれていたか
採用で資格が採否を決めることは、ほとんどなかった
採用面接をしていた中で、資格のあるなしで採否が決まったケースは、ほぼありませんでした。Webデザイナーは、資格がなければ就けない仕事ではありません。応募の段階で私が時間をかけていたのは、ポートフォリオと転職理由のほうです。
資格欄から見ていたのは、資格の名前そのものより、何を目指して、どこまでやり切ったかでした。目標を決めて最後まで取り切った跡は、「この人は入社してから続けていけそうか」を判断する材料の一つになります。これは、Webクリエイター能力認定試験でも同じです。
この試験ならではの見え方:「コードにも触れている」証拠になる
それでも、この試験には、ほかの資格とは少し違う読まれ方があると思っています。理由は、試験の中身がHTMLとCSSのコーディングだからです。
採用の場で、未経験の人の応募書類によくあったのが、PhotoshopやFigmaで作ったデザインだけが並んでいる形でした。Webデザインの実務は、デザインツールの中だけでは完結しません。「Photoshopでバナーを作れます」だけだと、入社してからどう動く人なのかが描きにくいんです。
なので私は、ゼロで構わないので、コーディングにも触れていることを示せると印象が変わる、と考えていました。Webクリエイター能力認定試験は、その「触れている」を第三者の試験で示せるものです。
AKI資格の名前で評価が上がるというより、「この人はデザインだけでなく、コードの側にも自分から手を伸ばしている」と伝わる。この試験が生きるのは、そこだと思います。
ただ、試験に受かったことと、自分でサイトを1つ作り上げられることは別です。面接で「HTMLとCSSで何を作りましたか」と聞かれたときに見せられる作品があって、初めて資格の話が生きてきます。
📌 関連記事:コーディングができない未経験Webデザイナーは採用されない? — 応募の時点で、コーディングをどこまで見せればいいか
実技ではなく知識を測る、CG-ARTSのWebデザイナー検定の見え方はこちらにまとめました。
Webデザイナー検定は転職に有利?|採用側から見た評価と、ほかの資格との違い
取るなら、こんな人
採否を決めるものではないと分かったうえで、それでも取る意味があるのは、次のような人だと思います。
- デザインツール中心で学んできた人:コードに触れていることを、作品とあわせて示したい
- HTMLとCSSを学び始めた人:試験日という締切があることで、学習の区切りを作りやすい
- 学んだ範囲を確かめたい人:独学の知識に抜けがないかを、試験の範囲で見直したい
反対に、作品づくりを止めてまで、試験勉強を優先するのはおすすめしません。採用の場で中心になるのは作品です。せっかくHTMLとCSSを学ぶなら、試験の勉強で書いたコードを、自分のポートフォリオサイトの1ページに使うところまでつなげてください。
📌 関連記事:Webデザイナーのポートフォリオサイトの作り方|WordPressで公開する手順を採用担当が解説 — 学んだコードを、見せられる形にする
履歴書や面接で、どう伝えるか
取った場合は、資格欄に書くだけで終わらせないほうが伝わります。面接で資格について聞かれたら、次の3つを話せるようにしておくと、資格が作品の話につながります。
- なぜ受けようと思ったか:「デザインだけでなく、コードも分かるようになりたかった」など、目的を一言で
- 実技で何ができるようになったか:自分で組めるようになったレイアウトや、苦手だと気づいたところ
- 作品にどう活かしたか:学んだコードを、ポートフォリオのどの作品のどこに使ったか
3つ目まで話せると、「試験に受かった人」ではなく「コードを使って作品を作れる人」として見てもらえます。採用する側としては、ここがいちばん知りたいところです。
試験対策を、スクールで受けるという選択肢
独学で進めるのが不安な場合は、スクールの対策講座を使う方法もあります。たとえばWinスクールには「Webクリエイター能力認定試験対策」の講座があり、エキスパートの取得を目指す内容で、知識試験と実技試験の対策、模擬試験までがカリキュラムに入っています。
- 受講時間:90分×10回(15時間)、受講期限は2ヶ月
- 受講費用:税込115,500円(受講料・入学金・教材費を含む)
- 対象:同校のWebサイト制作(HTML&CSS・レスポンシブデザイン)講座を修了した人、または同等の知識がある人
- セットのコース:HTML・CSSやPhotoshopなどの講座と、この試験対策を組み合わせた総合コースもある
※出典:Winスクール公式サイト「Webクリエイター能力認定試験対策」
対象が「HTMLとCSSの講座を終えた人」になっているとおり、この講座は試験対策に絞ったものです。まだHTMLとCSSに触れたことがないなら、試験対策より先に、サイトを作る講座から考えたほうが順番として自然です。どちらから始めるかは、無料のカウンセリングで自分の今の段階を伝えて、確かめてみてください。
資格の勉強と作品づくりを、どの順番で進めるか相談したい人には、Winスクールという選択肢があります。受講生・卒業生向けの就職・転職サポートとして、提携する転職サービスのキャリアアドバイザーによる履歴書・職務経歴書の添削や、模擬面接のアドバイスが用意されています。無料カウンセリングは来校かオンラインで、所要時間は約1時間です。
※出典:Winスクール公式サイト「就職・転職サポート」「無料カウンセリング・受講相談のご案内」

よくある質問
Q:Webクリエイター能力認定試験を持っていると、未経験の転職で有利になりますか?
A:私が採用に関わっていた範囲では、資格のあるなしで採否が決まることはほとんどありませんでした。評価の中心はポートフォリオと、作品について本人が話す内容です。ただこの試験はHTMLとCSSを扱うので、デザインだけでなくコードにも触れていることを示す材料になります。
Q:ウェブデザイン技能検定とどちらを受ければいいですか?
A:採用の場では、どちらかの資格があることで採否が決まることはほとんどありませんでした。デザインツール中心で学んできて、コードに触れていることを示したいならWebクリエイター能力認定試験、国家検定で学んだ範囲を確かめたいならウェブデザイン技能検定、という選び方ができます。どちらを受けるにしても、作品づくりを止めないことが先です。
Q:試験の勉強と作品づくり、どちらを先にやるべきですか?
A:作品づくりを先にするのがおすすめです。採用の場で中心になるのは作品なので、ポートフォリオに入れられる作品がまだないなら、まずは1つ作ってください。試験の勉強で書いたコードを、ポートフォリオサイトに使うところまでつなげると、資格の話が作品の話になります。
まとめ:採否は決めない。でも「コードに触れている」証拠にはなる
AKI資格がなくても、Webデザイナーにはなれます。そのうえでこの試験を受けるなら、受かることより、学んだコードで何を作ったかを話せるところまで持っていってください。
- Webクリエイター能力認定試験は、HTML・CSSでページを作る力とデザインの知識を問う試験。スタンダードは実技、エキスパートは知識と実技の合計で合否が決まる
- 私が見てきた採用では、資格のあるなしで採否が決まることはほとんどなかった
- この試験は、デザインツールだけでなく「コードにも触れている」ことを示す材料になる
- 取るなら作品づくりを止めずに。試験で書いたコードを、ポートフォリオに使うところまでつなげる
- 面接では、受けた理由・できるようになったこと・作品への活かし方を話す
試験を受けるかどうかで、今日の一歩が止まってしまうのはもったいないと感じます。小さく動けば十分です。まずは、ポートフォリオに入れている作品を1つ選んで、そのデザインのうち「見出しとボタンだけ」をHTMLとCSSで組んでみてください。それができたら、試験の勉強を始めても遅くはありません。
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