求人の「生成AIが使える方歓迎」は未経験に何を求めている?採用担当の目線

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ガラス張りの会議室で、Webデザイナー志望の女性が男性の採用担当にノートPCのポートフォリオサイトを見せながら話している様子

求人を見ていたら「生成AIを使える方歓迎」と書いてあった。AIは少し触ったことがあるくらいだけど、応募しても大丈夫かな。

「使える」って、どのくらいできれば言っていいんだろう。職務経歴書にどう書けばいいのかも分からない…。

AKIAKI

「歓迎」と書かれている条件は、満たしていなくても応募してかまいません。大事なのは、AIを触った経験を具体的に話せることと、使うときの注意を分かっていることです。採用する側の考え方から順番にお話しします。

ここ数年で、Webデザイナーの求人に「生成AI」という言葉を見かけることが増えました。AIに詳しくないと応募してはいけないような気がして、手が止まってしまう人もいると思います。

私はWebデザイナーとして10年以上働き、採用に携わってきた5年のあいだに、Webデザイナー志望者の面接も担当してきました。いまも情報システムの責任者として、採用する側にいます。この記事で答えるのは「求人の『生成AIが使える方歓迎』は、未経験に何を求めているのか」という問いです。

※私がWebデザイナー志望者の面接を多く担当していたのは、生成AIが広まる前の時期です。ここで書くのは、採用する側の一般的な考え方と、社内でAIを使うときに会社が気にする点を、私の立場から整理したものです。求人の意味は会社ごとに違うので、気になる点は応募先に確かめてください。

この記事を書いた人
AKI

全くの未経験から独学とスクールを経てWebデザイナーへ転職。その後Webデザイナー・Webディレクターとして働き、現在は本ブログの運営やWebサイト制作を通じてデザインに携わる。IT業界経験20年以上。
運営者情報とこのサイトが書かないこと

結論:「歓迎」は必須ではない。見られているのは使い方の姿勢

📝 「生成AI歓迎」の求人を見たときのポイント
  • 歓迎要件は、満たしていなくても応募できる:「あればうれしい」という意味で書かれることが多い
  • 求められているのは、道具として使う姿勢:AIに任せる部分と、自分で確かめる部分を分けられるか
  • 注意点を知っているかも見られる:社外に出してはいけない情報をAIに入れない、など
  • 伝えるときは具体的に:「使えます」より「何に、どう使ったか」を1つ話せるほうが伝わる

求人票の「歓迎」は、多くの場合「この経験があればうれしい」という意味です。AIの経験が浅くても、デザインの基礎と、新しい道具を試してみる姿勢が伝われば、応募をためらう必要はないと思います。

求人票での書かれ方と、その読み方

同じ「生成AI」でも、求人票のどこに書かれているかで意味が少し変わります。よく見かける書かれ方を、読み方と一緒にまとめました。

書かれている場所例読み方
歓迎要件「生成AIツールの利用経験がある方歓迎」あればうれしい条件。未経験でも、触った経験を具体的に話せれば十分なことが多い
業務内容「生成AIを活用したバナー制作」その会社では、すでに日々の仕事でAIを使っている。入社後に使う前提で準備しておきたい
必須要件「画像生成AIを使った制作経験」未経験向けの求人では少なめ。応募前に、どの程度の経験を求めているか確かめたい
会社の紹介文「AIを積極的に取り入れています」新しい道具に前向きな社風を伝えたい書き方。面接で、AIへの考え方を聞かれる可能性がある

業務内容に書かれている求人は、入社してすぐAIを使う場面が出てくると考えておいたほうがいいかもしれません。面接で「どのツールを使っていますか」と聞いてみると、入社後の仕事がかなり具体的にイメージできます。

📌 関連記事:未経験Webデザイナーの求人の探し方|採用担当が教える見極め方とブラック回避 — 求人票の業務内容・教育体制・募集背景の読み方

採用する側が、この一文で確かめたいこと

採用する側が「生成AI歓迎」と書くとき、AIの操作がうまいかどうかだけを見ているわけではないと思います。私が採用する立場で気になるのは、次の2つです。

📝 採用する側が気にする2つのこと
  1. 新しい道具を、自分から試せる人か:AIに限らず、ツールは数年で入れ替わる。変化に抵抗がないかを見たい
  2. AIの出したものを、そのまま使わない人か:間違いや権利の問題がないかを、自分で確かめられるか

情報システムの責任者の立場からいうと、会社がAIの利用でいちばん気にするのは、社外に出してはいけない情報を、AIに入力してしまわないかです。お客様から預かった原稿や、公開前の資料をそのまま貼り付けてしまうと、それだけで大きな問題になりえます。多くの会社が、AIの使い方について社内のルールを決めているのはそのためです。

AKIAKI

AIの操作が上手な人より、「これはAIに入れていい情報かな」と一度立ち止まれる人のほうが、正直、安心して仕事を任せられます。未経験の人でも、ここは今日から意識できるところです。

未経験が、応募書類と面接で伝える方法

AIの経験を伝えるときは、「使えます」と一言で書くより、何に、どう使って、どこを自分で直したかを短く書くほうが伝わります。書き方の例を並べてみました。

伝わりにくい書き方伝わりやすい書き方
「生成AIが使えます」「架空のカフェのサイトを作ったとき、写真素材の案出しに画像生成AIを使いました。色味と構図は、ブランドの雰囲気に合わせて自分で選び直しています」
「AIで何でも作れます」「キャッチコピーの候補をAIで10案出し、ターゲットに合う2案に絞ってから自分で言い回しを直しました」
「AIに詳しいです」「AIを使うときは、個人情報や公開前の情報を入力しないようにしています」

ポイントは、AIに任せたところと、自分で判断したところを分けて話すことです。面接で「AIはどこまで使いましたか」と聞かれても、この形で準備しておけば落ち着いて答えられます。ポートフォリオの作品にAIを使った場合も、考え方は同じです。

📌 関連記事:AIで作ったポートフォリオは選考でバレる?採用担当が「どこまでOKか」を正直に解説 — AIを使った作品の、セーフとアウトの線引き

まだAIをほとんど触ったことがない人は、応募の前に、無料の範囲で1つだけ試しておくと話しやすくなります。大きな作品でなくてかまいません。バナー1枚の案出しに使ってみて、気づいたことを1つ言えるだけでも、何も触っていない状態とは印象が変わると思います。

「歓迎」に当てはまらなくても、応募していい理由

未経験の人を採用するとき、会社は入社後に仕事を覚えてもらう前提で考えています。AIのツールも、入ってから覚えることの1つです。歓迎要件を全部満たしている未経験の人は、実際にはそれほど多くないはずです。

それよりも、デザインの基礎があり、なぜそのデザインにしたかを自分の言葉で話せることのほうが、採用の判断ではずっと重く見られます。AIの経験は、その上に乗るプラスの材料くらいに考えておくと気持ちが楽になるはずです。

自分の経験をどう書けば伝わるか迷ったら、第三者に一度見てもらうのも手です。転職エージェントの面談では、応募書類の書き方や、求人の条件をどこまで満たしていれば応募していいかを無料で相談できます。

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生成AIパスポートを取れば「生成AIが使える」と言えるのかは、こちらで整理しました。
生成AIパスポートはWebデザイナーの転職に有利?|採用側から見た資格の評価

よくある質問

Q:生成AIをほとんど使ったことがなくても、応募していいですか?

A:歓迎要件であれば、応募してかまいません。ただ、応募の前に無料の範囲で1つ試しておくと、面接で聞かれたときに具体的に答えられます。

Q:職務経歴書に、使ったAIツールの名前を並べるだけでもいいですか?

A:名前だけだと、どのくらい使えるのかが伝わりにくいです。1つでいいので、何に使って、どこを自分で直したかを添えると、採用する側が判断しやすくなります。

Q:AIを使って作った作品を、ポートフォリオに載せてもいいですか?

A:載せてかまいません。どこにAIを使い、どこを自分で判断したかを説明できるようにしておけば、隠すよりも前向きに受け取ってもらいやすくなります。

まとめ:AIの経験は「何に、どう使ったか」で伝える

AKIAKI

「生成AI歓迎」の一文で応募をあきらめてしまうのは、もったいないと思います。小さな経験でも、自分の言葉で話せれば十分な材料になります。

📝 この記事の要点
  • 求人の「生成AI歓迎」は、多くの場合「あればうれしい」という意味で、必須ではない
  • 業務内容に書かれている場合は、入社後にAIを使う前提で準備しておきたい
  • 採用する側が見ているのは、新しい道具を試せるかと、AIの出したものを自分で確かめられるか
  • 社外に出してはいけない情報をAIに入れない、という意識も大切
  • 応募書類や面接では、何に、どう使って、どこを自分で直したかを短く伝える

まずは、気になっている求人を1つ開いて、「生成AI」がどこに書かれているかを確かめてみてください。そのうえで、AIを使ったことを1つ、「何に、どう使って、どこを直したか」の形で1行にしてみましょう。

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