エージェント経由と直接応募、採用側の扱いはどう違うか|受ける側の本音

転職・キャリア

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エージェント経由と直接応募の違いを採用担当が解説

エージェント経由だと採用されにくいって聞いたんだけど、本当…?

自分で直接応募したほうが、熱意が伝わるのかな…

AKIAKI

両方のルートから応募を受けてきた側として答えますね。合否への影響はほぼありません。ただ、企業側の事情は正直けっこう違います。そこも隠さず書きます。

「エージェント経由は不利」「直接応募のほうが熱意が伝わる」。転職活動を始めると、こういう話をあちこちで目にします。どちらが本当なのか、正直迷いますよね。

私はWebデザイナーとして10年以上働きながら、採用面接に5年ほど関わってきました。エージェント経由の応募も、直接応募も、どちらも受け取る側にいた立場です。推薦文がどう読まれるか、企業側にどんな事情があるかも、内側から見てきました。

その経験から、扱いの違いを正直にお話しします。都合の悪い部分も含めて書くので、判断材料にしてください。

この記事を書いた人
AKI

全くの未経験から独学とスクールを経てWebデザイナーへ転職。その後Webデザイナー・Webディレクターとして働き、現在は本ブログの運営やWebサイト制作を通じてデザインに携わる。IT業界経験20年以上。

結論:選考の合否に、応募ルートはほぼ影響しない

まず結論です。「エージェント経由だから落とす」「直接応募だから通す」という判断を、私はしたことがありません。見ているのはポートフォリオと、面接で話す中身。そこが良ければ通るし、届かなければ通らない。それだけです。

「エージェント経由は不利」という噂の出どころは、おそらく次に書く企業側の事情だと思います。ただ、それは選考の合否とは別の話。ここを混同すると判断を誤るので、分けて説明します。

ただし採用側の事情は違う(手数料の話を正直に)

AKIAKI

ここは書くか迷いましたが、隠すほうが不誠実だと思うので正直に書きます。

エージェント経由で採用が決まると、企業はエージェントに紹介手数料を払います。相場は年収の3割前後と言われます。仮に年収350万円なら100万円前後。決して小さくない金額です。

つまり企業から見れば、まったく同じ実力の人が2人いたら、直接応募の人のほうがコストは低い。これは事実です。「エージェント経由は不利」という話の根っこは、たぶんここにあります。

ただ、ここからが大事なところです。実務では「まったく同じ実力の2人」なんて、まず現れません。応募者は一人ひとり違うし、採用は「一番いい人を採る」ための活動です。手数料を惜しんで力のある人を逃すほうが、会社にとってよほど損失になります。だから私は、手数料を理由に候補者を落としたことはありません。

📝 手数料の事情、正しい理解
  • エージェント経由の採用には紹介手数料(年収の3割前後)がかかる——これは事実
  • だから「同じ実力なら直接応募が嬉しい」という本音は、企業側に存在する
  • ただし選考で手数料を理由に落とすことは、実務上まずない(それをすると採用そのものが成立しない)
  • 影響が出るとすれば、余裕のない小規模企業がエージェント経由の募集自体を出さない、という形。応募前の段階の話

エージェント経由が有利に働く場面

手数料の話を書いたので、公平にエージェント側の利点も書きます。採用する側から見て、エージェント経由には実際にメリットがあります。

📌 採用側から見たエージェント経由の利点
  1. 事前にフィルタが効いている——明らかに条件が合わない応募が減るので、一件ずつ丁寧に見られる
  2. 背景情報が事前にわかる——なぜ転職するのか、何を求めているかが面接前に共有される
  3. 条件のすり合わせが済んでいる——年収や勤務地でのミスマッチが起きにくい

特に1つ目は、応募者にとっても得です。直接応募の山に埋もれず、最初から「ちゃんと見るべき候補」として扱われるので、丁寧に読んでもらえる確率が上がります。手数料を払ってでもエージェントを使う企業があるのは、この価値に対価を払っているからです。

直接応募が有利に働く場面

一方、直接応募が効く場面もあります。

📌 直接応募が効く場面
  1. その会社にどうしても入りたい理由がある——志望動機の熱量は、直接応募のほうが伝わりやすい
  2. エージェントが扱っていない求人——小規模な制作会社は自社サイトだけで募集していることも多い
  3. 採用予算に余裕がない企業——手数料が発生しないぶん、採用のハードルが下がることはある

2つ目は見落とされがちです。エージェントの求人は「エージェントを使う体力がある会社」に偏ります。少人数でいい仕事をしている制作会社は、自社サイトだけで細々と募集していることがある。そういう会社に出会いたいなら、直接探す動きも必要です。

📌 関連記事:未経験Webデザイナーの求人の探し方|採用担当が教える見極め方とブラック回避 — 求人をどこで探すか、その見極め方をまとめています。

採用側から見た「使い方が上手い応募者」の共通点

ここからが本題かもしれません。エージェントを使うかどうかより、使い方で差がつきます。面接をしていて「この人はエージェントを上手く使っているな」と感じる人には、共通点があります。

使い方が上手い応募者
  • 志望動機を自分の言葉で持っている(エージェントの受け売りではない)
  • その会社を選んだ理由を、自分で調べた事実に基づいて話せる
  • 面接対策を受けたうえで、それを鵜呑みにせず自分の経験に落とし込んでいる
  • エージェントに自分の話を十分に渡している(後述の推薦文に効きます)
もったいない使い方
  • 「エージェントに勧められたので」が志望動機になっている
  • 会社について、渡された資料以上のことを調べていない
  • 準備を丸投げしていて、深掘りすると答えが出てこない

「エージェントに勧められたので応募しました」。これを正直に言ってしまう方が、たまにいます。悪気はないと思うのですが、採用側には「うちでなくてもいいのかな」と伝わってしまいます。エージェントは案内役であって、志望動機を作る人ではありません。そこは自分で持っておきたいところです。

推薦文は実際どう読まれているか

AKIAKI

ここは受け取る側にしか分からない部分だと思うので、そのまま話します。

エージェント経由の応募には、たいてい推薦文が添えられています。書類と一緒に届くのですが、正直に言うと——テンプレート然とした推薦文は、ほとんど読み飛ばします

「明るく前向きで、コミュニケーション能力が高い方です」。この手の文章は、誰にでも当てはまってしまう。書いてあっても情報がゼロなので、読んでも判断材料になりません。

逆に、手が止まる推薦文もあります。「前職で◯◯という課題に直面し、独学でこう解決した経緯があります」のように、具体的なエピソードが書いてあるもの。こういう推薦文は、面接前から候補者への興味が湧きます。

ここで大事な事実を一つ。推薦文の質は、応募者がエージェントにどれだけ自分の話を渡したかで決まります。エージェントは、聞いていないことは書けません。面談で「まあ、普通に頑張ってきました」としか話していなければ、推薦文もその程度になる。逆に、詰まった経験や工夫した点を具体的に話しておけば、それが推薦文に乗ります。

📝 推薦文を効かせるには
  1. エージェントとの面談で、具体的なエピソードを渡す(詰まった経験・工夫した点・作ったもの)
  2. 「よろしく伝えてください」で終わらせず、何を推してほしいかを言葉にする
  3. 推薦文は自分では書けないが、材料は自分にしか出せないと理解しておく

この構造は、職務経歴書とまったく同じです。具体がないと伝わらない。書き方はこちらでも整理しています。

📌 関連記事:未経験Webデザイナーの職務経歴書の書き方|採用担当が通す書類のポイントと例文 — 「具体で書く」の実例を載せています。

併用が現実的:どう使い分けるか

ここまで読んで、どちらか一方を選ぶ話ではないと感じた方も多いと思います。実際、私が見てきた中で動きが良かった人は、たいてい併用しています

📌 現実的な使い分け
  1. エージェント=求人の母数を広げる・書類添削や面接対策で第三者の視点をもらう・条件交渉を任せる
  2. 直接応募=どうしても入りたい会社/エージェントが扱っていない小規模な制作会社

特に未経験からの転職では、「自分の書類が客観的にどう見えるか」を知る機会が貴重です。一人で進めていると、その視点が最後まで手に入りません。無料で使えるものなので、まず登録して第三者の目を借りる価値はあると思います。

採用する側として言うと、エージェント経由で来た方が的確な準備をしてきたと感じる場面は何度もありました。使うこと自体は、まったく引け目に感じなくて大丈夫です。

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転職活動全体の進め方(いつ始めるか・何から動くか)は、こちらにまとめています。

📌 関連記事:未経験Webデザイナーの転職活動の進め方|いつ始める・何から動くかを採用担当が解説 — 応募ルートを決める前の、全体の段取りはこちらです。

よくある質問

Q:手数料がかかるなら、やはりエージェント経由は不利ではないですか?

A:手数料は事実ですが、選考でそれを理由に落とすことは実務上ほぼありません。採用は「一番いい人を採る」活動なので、手数料を惜しんで良い人を逃すほうが損失だからです。影響が出るとすれば、そもそもエージェント経由の募集を出さない企業がある、という応募前の話です。

Q:同じ会社にエージェント経由と直接応募の両方で応募してもいいですか?

A:やめたほうがいいです。受け取る側で重複が発覚すると、手数料の扱いで揉めますし、管理が雑な印象にもなります。会社ごとにどちらのルートで行くかを決めて、一本化してください。

Q:未経験だとエージェントに相手にされないのでは?

A:紹介できる求人があるかは状況によります。ただ、仮に紹介が少なくても、書類を客観的に見てもらえる価値は残ります。無料なので、母数を広げる手段の一つとして登録しておく分には損がありません。

Q:推薦文の内容を、自分で確認することはできますか?

A:エージェントによりますが、見せてもらえないことも多いです。ただ、内容の材料は面談で自分が話したことです。だから確認するより、面談で具体的なエピソードをしっかり渡すほうが確実に効きます。

まとめ:ルートより「渡した材料」で差がつく

AKIAKI

どちらのルートでも、結局は「あなたが何を作って、何を語れるか」に戻ってきます。そこは変わりません。

📝 この記事の要点
  • 選考の合否に応募ルートはほぼ影響しない。見ているのはポートフォリオと面接の中身
  • 紹介手数料(年収の3割前後)は事実。ただし手数料を理由に落とすことは実務上まずない
  • エージェント経由=丁寧に見てもらえる/直接応募=熱意が伝わる・小規模企業に届く。併用が現実的
  • 推薦文の質は「エージェントにどれだけ具体を渡したか」で決まる。材料は自分にしか出せない

どちらのルートで応募するかで悩む時間があるなら、その分を作品と、語れるエピソードの準備に使うほうが効きます。今日できるのは、自分が詰まって乗り越えた経験を一つ、言葉にして書き出しておくこと。それは推薦文にも、面接にも、そのまま効いてきます。

📌 関連記事:Webデザイナーの面接で採用担当が必ず聞く5つの質問|その狙いと答え方 — そのエピソードが面接でどう聞かれるかをまとめています。

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