リスキリング補助金はいつまで?申請の流れと教育訓練給付金との違い

お金・給付金

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リスキリング補助金の申請フローと教育訓練給付金との違いを解説

リスキリング補助金って、教育訓練給付金と何が違うんだろう…

最大70%戻るって見たけど、本当にそんなに安くなるのかな。

AKIAKI

その2つ、まったく別の制度です。混同したまま進むと「対象外でした」になりやすいので、違いから整理しますね。

スクールの料金ページを見ていると「リスキリング補助金で最大70%」という表示をよく見かけます。ただ、この制度について調べ始めると、教育訓練給付金の説明と混ざっている記事が本当に多くて、結局どっちの話なのか分からなくなる。私も最初に読んだときは正直そう感じました。

この2つは、管轄する省庁も、申込み窓口も、お金の戻り方も違う別制度です。似ているのは「学ぶ費用が安くなる」という一点だけと言っていいくらいで、条件を取り違えると使えません。

この記事では、経済産業省の「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」——いわゆるリスキリング補助金について、公式に書かれている条件と申請の流れを整理します。先に一つだけお伝えしておくと、この制度は「在職中の人が、転職すること」を前提に設計されています。ここが分かれ道になるので、順に見ていきましょう。

この記事を書いた人
AKI

全くの未経験から独学とスクールを経てWebデザイナーへ転職。その後Webデザイナー・Webディレクターとして働き、現在は本ブログの運営やWebサイト制作を通じてデザインに携わる。IT業界経験20年以上。

結論:在職者の転職が前提。個人への支援は令和8年度末までとされている

細かい話に入る前に、判断に効く3点を先に出します。ここに当てはまらないなら、この制度ではなく教育訓練給付金のほうを見たほうが早いです。

📝 先に押さえる3点
  1. 在職者向けの制度——サービス登録時とキャリア相談の初回面談時に「在職中」であることが条件。すでに退職している場合は対象になりません
  2. 転職が組み込まれている——「雇用主の変更を伴う転職を目指している方」が対象。学ぶだけ、今の会社に残る前提では使えません
  3. 期限がある——個人への支援の終期は令和8年度末(2027年3月末)とされています。恒久的な制度ではありません

3つ目は補足が要ります。この終期はもともと令和6年度末でしたが、公式サイトに「個人への支援の終期を、令和6年度末から令和8年度末まで延長しました」と書かれているとおり、一度延長された経緯があります。過去に延ばされている以上、再延長の可能性がゼロとは言えません。ただ、現時点で公表されているのは令和8年度末まで、という状態です。

もう一つ、あまり触れられていない事実があります。補助事業者(講座を提供する側)の公募は、六次公募をもって終了しました。七次公募の実施は未定と公式に記載されています。今後この制度に新しく参入する事業者は、今のところ増えないということです。個人が使えなくなったという話ではなく、すでに採択された事業者を通じて利用する形が続く、という意味です。

教育訓練給付金とリスキリング補助金は、別の制度

AKIAKI

ここを混ぜて書いている記事が多いので、表で並べて置いておきます。

項目教育訓練給付金リスキリング補助金
管轄厚生労働省経済産業省
正式名称教育訓練給付制度リスキリングを通じた
キャリアアップ支援事業
窓口ハローワーク補助事業者(民間)
お金の戻り方いったん全額を支払い、
あとから申請して受け取る
補助事業者経由で、
負担が軽減された価格で受講
在職・離職離職者も条件次第で対象在職者のみ
転職必須ではない転職が前提
上限の目安制度により10万〜年64万円
(3年で最大192万円)
最大56万円
期限継続中の制度令和8年度末までとされる

いちばん実務的に効いてくる違いは、お金の戻り方と、転職が必須かどうかの2つです。教育訓練給付金は受講料をいったん全額支払う後払い方式なので、立て替えの資金がいります。リスキリング補助金は補助事業者を通して割り引かれた価格で受講する形なので、最初の持ち出しはその分だけ軽くなります。

教育訓練給付金のほうの手順は別記事に時系列でまとめています。「受講前にハローワークで何をするか」を間違えると対象外になるので、そちらを検討している場合は先に読んでおいたほうが安全です。

📌 関連記事:教育訓練給付金の申請手順|ハローワークで実際にやることを時系列で解説 — 順番を間違えると受け取れなくなる点を中心に整理しています。

補助額はいくらか(受講時1/2+転職後1/5=最大56万円)

公式に書かれている補助の内訳は、2段階に分かれています。

📌 補助の内訳(公式記載)
  1. 講座の受講を修了した時点——受講費用(税別)の1/2相当額(上限40万円)
  2. 転職して1年間継続して就業した時点——追加で受講費用(税別)の1/5相当額(上限16万円)

1と2を合わせると受講費用の7割相当、金額としては合計最大56万円になります。「最大70%」という表示はここから来ています。

ただ、この数字の読み方には注意が必要です。「7割」は誰でも自動的に適用される割引ではありません。2段階目の16万円分は、転職して1年間働き続けたことが確認されてから。受講した時点で確定するのは前半の1/2までで、残りは1年以上先の話になります。転職しなかった場合、あるいは1年以内に離職した場合は、後半分は受け取れないという建て付けです。

もう一点、上限があることも見落とされがちです。受講費用が高い講座ほど「7割」の実感は薄くなります。たとえば受講費用が100万円の講座なら、1/2は50万円ではなく上限の40万円まで。割合ではなく上限額のほうが先に効くケースがあります。

実例を一つ挙げると、以前はこの制度が使えたものの、2025年8月末で受付を終了したスクールもあります。「一覧に載っていても今は使えない」がどう起きるかの具体例として、あわせて置いておきます。

📌 関連記事:WEBCOACHの料金は高い?補助金後の実質負担を採用担当が検証 — 補助金の受付が終了した経緯と、料金の考え方を整理しています。

申請の流れ:ハローワークではなく「補助事業者」に申し込む

ここが教育訓練給付金といちばん違う部分です。この制度では、自分でハローワークに行く手続きはありません。窓口になるのは、国に採択された民間の「補助事業者」です

📌 利用の流れ
  1. 公式サイトで補助事業者を探す(事業者ごとに扱う分野・講座が違う)
  2. 受けたい講座と事業者を絞り込む
  3. 選んだ補助事業者のサイトから申し込む(国に直接申請するわけではない)
  4. キャリア相談を受ける(無料。この初回面談の時点で在職中である必要がある)
  5. 講座を受講し、修了後に転職支援を受ける(こちらも無料)

この事業は「キャリア相談・リスキリング・転職支援」を一体で提供する設計になっています。講座だけを単体で買う、という使い方は想定されていません。逆に言えば、キャリア相談と転職支援が無料でついてくるとも言えます。

対象講座は事業者ごとに違い、受講金額も負担軽減額も一律ではありません。公式にも「各補助事業者により受講金額・負担軽減額は異なる」と明記されています。Webデザイン・DX系の講座で、2026年7月時点で募集していることが公式サイトで確認できる事業者としては、Winスクールがあります。公式に「経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業認定」と明記され、本事業の利用は2027年3月末までに受講修了が必要と案内されています。

Webデザイナー Winスクールの公式サイト
📝 申し込む前に必ず確認してほしいこと
  • 公的な一覧に載っていても、受付が終わっていることがあります——実際に調べると、経済産業省の事業者リストに社名が残っているのに、リンク先のページが消えていて、スクール側は公式サイトで「受付終了」と告知しているケースがありました
  • 確認する順番は「スクールの公式サイト」が先——一覧ではなく、そのスクール自身が今も募集していると書いているかを見てください。終了告知はスクール側のページに出ます

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Winスクールの無料カウンセリングを予約する

事業者の一覧はこの記事には固定で載せません。公募が終了していて今後の状況が変わりうるため、古い情報を置いておくほうが害になると判断しました。最新の一覧は経済産業省の公式サイトで確認できます。

見落としやすい条件3つ

ここからは、公式には書いてあるのに紹介記事では省略されがちな部分です。あとから「そうだったのか」となりやすいので、先に確認しておいてください。

つまずきやすいポイント
  • 退職してからでは遅い——登録時と初回面談時の両方で在職している必要があります。「辞めてから学び直そう」という順番だと、この制度は使えません
  • 転職先が限定される——追加分の対象になる転職は、補助事業で実施された職業紹介などを経由したものに限られます。自分で見つけた会社に転職した場合、後半の1/5が受け取れない可能性があります
  • 金額は事業者ごとに違う——「最大56万円」は制度上の上限で、実際にいくら軽くなるかは選ぶ講座と事業者で変わります

2つ目がいちばん重いと思っています。転職先の選択肢が、制度側の紹介ルートにある程度しばられるということだからです。「補助金が出るから」で入って、あとから「行きたい会社が紹介枠になかった」となると、順番が逆になってしまう。

採用担当として見たとき、この制度をどう扱うか

AKIAKI

ここは制度の解説ではなく、面接する側に5年いた立場からの話です。

まず、身も蓋もない話から。採用側は「補助金を使って学んだかどうか」を一切見ていません。履歴書にも職務経歴書にも書く欄はありませんし、面接で聞いたこともない。学習費用をどう工面したかは、選考の評価にまったく関係ないというのが実感です。

だからこの制度は、あくまで費用を下げるための道具として見るのが正確だと思います。使ったから通りやすくなる、ということはありません。面接で見ているのは、結局のところポートフォリオと「なぜそう作ったか」を説明できるかどうかです。ここは何度書いても足りないくらい差が出る部分で、制度の選び方より優先度が高い。

そのうえで、一つだけ現実的な注意点があります。この制度は転職支援とセットなので、応募は職業紹介事業者を経由する形になります。採用側から見ると、紹介経由の応募には紹介手数料が発生します。企業によっては、そのぶん書類選考のハードルが少し上がることがある——というのは、正直に書いておいたほうがいいと思っています。

📌 関連記事:エージェント経由と直接応募、採用側の扱いはどう違うか|受ける側の本音 — 紹介手数料が選考にどう影響するかを採用側の視点で整理しています。

誤解のないように補足すると、これは「紹介経由だと不利だから使うな」という話ではありません。紹介経由には、非公開求人に出会えたり、書類の通し方を一緒に考えてもらえたりという利点もあります。ただ、無料でキャリア相談がついてくると聞くと良いことばかりに見えるので、相談相手が「転職を成立させたい側」でもあるという構造は、頭の片隅に置いておいて損はないと思います。

Webデザインを学ぶなら、どちらの制度を見るか

ここまでを踏まえて、判断の目安を整理します。「どちらが得か」ではなく「自分の状況にどちらが噛み合うか」で選ぶのが現実的です。

リスキリング補助金が噛み合いやすい人
  • いま在職中で、これから転職するつもりがはっきりしている
  • 学習と転職支援をセットで進めたい(自力で転職活動を組み立てるのが不安)
  • 受講時点での持ち出しをなるべく抑えたい
教育訓練給付金のほうを見たほうがいい人
  • すでに退職している、または近く退職予定
  • 転職するかどうかはまだ決めていない(学んでから考えたい)
  • 転職先を自分で選びたい(紹介枠にしばられたくない)
  • 受けたい講座が決まっていて、それが教育訓練給付の対象になっている

教育訓練給付金のほうは「スクール単位」ではなく「コース単位」で対象が決まります。同じスクールでも、あるコースは対象で別のコースは対象外、ということが普通に起きます。デイトラがまさにその例です。

📌 関連記事:デイトラ給付金の申請手順を最速解説|対象はWeb制作コース限定 — 対象がコース単位で決まる実例です。

どのスクールがどの制度の対象なのかを横断で見たい場合と、そもそも料金の相場から確認したい場合は、それぞれ別の記事にまとめてあります。

📌 関連記事:Webデザインスクールは給付金で安くなる?教育訓練給付の対象校と選び方を採用担当が解説 — 対象校と、制度から逆算した選び方をまとめています。

よくある質問

Q:リスキリング補助金と教育訓練給付金は、両方使えますか?

A:同じ講座に両方を重ねて適用できるかは、講座と補助事業者によって扱いが変わります。制度が別なので一律に「できる・できない」とは言えません。検討している講座について、補助事業者に直接確認するのが確実です。ここは推測で判断しないほうがいい部分だと思います。

Q:転職しなかった場合、補助はどうなりますか?

A:追加分(受講費用(税別)の1/5相当額・上限16万円)は、転職して1年間継続して就業したことが確認された時点で対象になるものです。転職しなかった場合、この後半分は受け取れないことになります。詳しい取り扱いは補助事業者ごとに説明があるので、申し込み前に確認してください。

Q:フリーランスや自営業でも使えますか?

A:公式には「在職者であり、雇用主の変更を伴う転職を目指している方」が対象と書かれています。雇用されている状態が前提の書き方になっているため、雇用主がいない働き方の場合は当てはまらない可能性が高いです。個別の状況は補助事業者に確認するのが確実です。

Q:いつまでに始めればいいですか?

A:個人への支援の終期は令和8年度末(2027年3月末)とされています。ただ、受講から転職、その1年後の確認までを含むと、全体としてはそれなりの期間がかかります。締切ぎりぎりから逆算するより、余裕をもったスケジュールで考えたほうが現実的です。最新の期限は公式サイトで確認してください。

Q:補助金を使ったことは、面接で不利になりませんか?

A:なりません。採用担当として面接してきた中で、学習費用をどう工面したかが話題になったことはありませんでした。書類に書く欄もありません。見られているのはポートフォリオと、その意図を説明できるかどうかです。制度の有無で評価が変わることはないと考えて大丈夫です。

まとめ:制度に合わせて動くより、自分の順番を先に決める

AKIAKI

制度は道具です。得かどうかより、自分の順番に合うかで選んだほうが後悔が少ないと思っています。

📝 この記事の要点
  • リスキリング補助金と教育訓練給付金は、管轄も窓口もお金の戻り方も違う別制度
  • 補助は受講修了時に1/2(上限40万円)、転職1年後に追加1/5(上限16万円)で合計最大56万円
  • 対象は在職者に限られ、雇用主の変更を伴う転職が前提。退職後では使えない
  • 追加分の対象になる転職は職業紹介などを経由したものに限られる=転職先の幅に影響しうる
  • 個人への支援の終期は令和8年度末(2027年3月末)とされ、事業者の公募は六次で終了している
  • 採用側は補助金の利用有無を見ていない。制度は費用を下げる道具として扱うのが正確

この制度を調べていると、金額の大きさに目が行きがちです。ただ実際に効いてくるのは、「いま在職中か」「転職するつもりが固まっているか」という2つの前提のほうでした。ここが揃っていれば噛み合う制度ですし、揃っていないなら教育訓練給付金を見たほうが素直だと思います。

もし今日から何か一つ動くとしたら、制度の比較を続けるより、自分の状況を紙に書き出してみるほうが早いかもしれません。在職中か、転職の意思はどのくらい固まっているか、いつまでに動きたいか。その3行が決まれば、どちらの制度を見ればいいかは自然に絞れます。

焦らなくて大丈夫です。制度は入り口であって、目的ではないので。

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