Webデザイナーの在宅は難しい?在宅を任せる側から見た本当の理由

働き方・フリーランス

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在宅で働きたいんですけど、Webデザイナーの在宅って難しいらしくて…

未経験だと、やっぱり無理なのかな…

AKIAKI

難しいのは本当です。ただ「何が難しいのか」が2つ混ざっていて、そこを分けないと打つ手が決まらないんですよね。

「Webデザイナー 在宅 難しい」で検索してここにたどり着いた方は、たぶん「在宅で働きたい」という気持ちと「でも自分には無理かもしれない」という不安を、同時に抱えているんじゃないでしょうか。

先に言ってしまうと、難しいという話自体は事実です。ただ、多くの記事が「在宅は難しい」とひとまとめにしているものの中には、性質のまったく違う2つの難しさが入り混じっています。ここを切り分けると、自分に足りないものがどちらなのかが見えてきます。

私はWebデザイナーとして10年ほど実務をやってきました。今は事業会社で情報システムの責任者もしていて、社員が在宅で働くための環境を用意する側にいます。あわせて、自分のチームについては、誰に在宅を任せるかを実際に決めてきました。あわせて、採用の面接に関わってきた5年のあいだに、Webデザイナー職の選考も担当してきました。

この記事では「フリーランスとして在宅でいくら稼げるか」という話はしません。そこは私自身が実体験で語れる領域ではないので、書けば嘘になります。代わりに、会社が在宅を認めるときに何を用意しているのか、採用側は在宅希望をどう受け取るのかという、私が実際に手を動かしてきた側の話を書きます。

この記事を書いた人
AKI

全くの未経験から独学とスクールを経てWebデザイナーへ転職。その後Webデザイナー・Webディレクターとして働き、現在は本ブログの運営やWebサイト制作を通じてデザインに携わる。IT業界経験20年以上。
運営者情報とこのサイトが書かないこと

「在宅は難しい」と言われるとき、2つの話が混ざっている

在宅で働くWebデザイナーには、大きく分けて2つの形があります。同じ「在宅」でも、難しさの正体がまるで違います。

 会社に雇われたまま在宅(在宅勤務)フリーランスとして家で受ける
収入の出どころ給与。働いた時間に対して払われる案件ごと。受注できなければゼロ
難しさの中身「在宅を任せてもらえる状態」になるまでが難しい仕事を継続的に取り続けることが難しい
未経験の入口まず就職・転職して社員になる実績ゼロから信用を作るところから
環境の用意PC・ソフト・回線は会社が用意することが多いすべて自分で用意する

検索している人の多くは、この2つを混ぜたまま不安になっている

「在宅は難しい」と書かれた記事を読むと、たいてい途中から「案件が取れない」「単価が上がらない」という話になっていきます。それはフリーランス側の難しさで、会社員として在宅勤務を目指す人には、そのまま当てはまりません。

逆に、会社員として在宅にたどり着く道のほうは、意外と語られていません。求人票に「リモート可」と書いてあるのに、なぜ未経験だと難しいのか。その理由を説明している記事は、私が探した範囲ではあまり見つかりませんでした。ここは私が普段まさに手を動かしている側なので、そこから書いていきます。

📌 関連記事:未経験からWebデザイナーでフリーランスになれる?採用担当が現実を正直に話す — フリーランス側の在宅を知りたい方は、こちらで整理しています。

在宅の環境を用意する側から見た、会社が在宅に条件をつける理由

AKIAKI

ここはあまり表に出ない話だと思うので、環境を用意している側の目線をそのまま書きますね。

社員を在宅で働かせるとき、会社側にはそれなりの準備が発生します。持ち出せるノートPCを用意して、社外から社内システムに入れるようにして、誰がどのデータに触れるかを決める。情報システムの担当としては、このあたりをひとつずつ設計することになります。

結局のところ在宅勤務は、会社にとって「認めれば済む」ものではなく、コストと責任がついてくる仕組みなんですよね。だから全員に一律で許すのではなく、条件をつけている会社が多いのだと思います。

全社の制度をどうするかは人事や部門長が決めることなので、私が語れるのはもっと狭い範囲です。ただ、自分のチームで誰に在宅を任せるかは、実際に決めてきました。そのときに見ているのは、だいたい次の3つです。

📌 自分のチームで在宅を任せるとき、私が見ていること
  1. 何をすればいいかが本人の中で決まっている——毎回聞かないと進まない状態だと、離れた場所では止まってしまう
  2. 進捗が外から見える——今どこまで進んでいるかが、こちらから聞かなくても分かる
  3. 扱う情報の範囲がはっきりしている——どこまで持ち出してよいかの線が引ける

この3つを、未経験で入ったばかりの人に当てはめてみると、どうなるか。ほとんどの項目が「まだ難しい」に寄ってしまう。悪意でも能力の問題でもなく、こちらにまだ判断材料がない、というだけの話です。

未経験がいきなりフルリモートになりにくい、いちばん大きな理由

結局のところ、教育のコストがまだ対面に大きく依存しているのだと思います。画面を横から見て「そこ、そうじゃなくて」と言えるのと、チャットで文章にして伝えるのとでは、必要な手間がまるで違います。

教える側にとって、離れた相手に教えるのはかなり負荷が高い。だから「リモート可」と書いてある会社でも、入社直後だけは出社、というただし書きが付いていることがあります。これは新人を信用していないからではなく、育てる側の都合という面が大きいと感じています。

正直に言うと、ここを「未経験だから仕方ない」で終わらせるのはもったいないな、とも思っています。裏を返せば、教える手間が小さい人だと分かってもらえれば、在宅は近づくということでもあるので。

採用担当として見てきた、「在宅希望」の伝わり方

AKIAKI

在宅を希望すること自体は、マイナスではありません。差が出るのは、そのあとの一言です。

ここから先は、Webデザイナー職に限らず、私が面接に関わってきた範囲での話です。「在宅を希望しています」と言われたこと自体で、こちらの印象が下がった記憶はありません。ただ、そのあとに理由が続くかどうかで、受け取り方はかなり変わったと感じています。

理由が「通勤したくないので」だけで止まると、こちらとしては、働き方そのものへの温度がまだ読めない状態になります。責めているわけではなく、単に情報が足りない。逆に、集中して制作したいから/家庭の事情でこの時間帯を確保したいから、という具体が添えられていると、こちらの中で像が結びます。

面接をしていて感じていたのは、在宅の希望そのものより「離れていても仕事が回る人かどうか」を見ようとしている、ということでした。だから、自分で調べて進めた経験や、質問の仕方を工夫した話のほうが、実は効きます。

求人票の「リモート可」は、そのまま受け取らないほうがいい

これは私が見てきた範囲の話ですが、「リモート可」の一言には、かなり幅があります。応募前に確認しておくと、入社してから戸惑わずに済みます。

求人票の書き方確認しておきたいこと
リモート可週に何日か。全社の制度か、部署ごとの運用か
リモート勤務あり試用期間中も対象か。入社直後は出社かどうか
フルリモート可職種を問わず全員が対象か。実際に在宅で働いている人が社内にいるか
ハイブリッド勤務出社日が固定か、自分で選べるか

ここは面接で聞いても、まったく失礼にあたりません。むしろ働き方を具体的に考えている人だな、と受け取ることのほうが多いです。聞きにくければ、エージェント経由なら間に立って確認してもらう手もあります。

📌 関連記事:未経験Webデザイナーの求人の探し方|採用担当が教える見極め方とブラック回避 — 求人票のどこを見るかは、こちらでもう少し細かく書いています。

📌 関連記事:エージェント経由と直接応募、採用側の扱いはどう違うか|受ける側の本音 — 間に人を挟むかどうかで、選考の進み方がどう変わるかを整理しました。

在宅の条件は、求人票の文面だけでは判断しきれません。第三者に聞いてもらうほうが早い場面は、実際にあります。無理に使う必要はありませんが、選択肢としては現実的だと思います。

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未経験から在宅に近づく、現実的な順路

AKIAKI

遠回りに見えるかもしれませんが、私が見てきた中では、これがいちばん確実に見えます。

ここまでの話をまとめると、最初のゴールを「在宅で働くこと」ではなく「在宅を任せてもらえる状態になること」に置き換えるのが、現実的だと思っています。順番にすると、こうなります。

📝 在宅にたどり着くまでの4段階
  1. 作れる状態になる——手を動かした跡が残るものを1本用意する。上手さより、なぜそうしたかを説明できるか
  2. 出社を含む形でも入る——リモート可の会社を選びつつ、入口は出社ありで妥協する。ここが最短になりやすい
  3. 聞かなくても進む人だと分かってもらう——半年〜1年、進捗の見せ方と質問の出し方を意識する
  4. 在宅の比率を上げる——制度がある会社なら、ここは交渉ではなく実績の話になる

2番を飛ばして、いきなりフルリモートの求人だけを探す人はけっこう多いです。気持ちはよく分かります。ただ、未経験可とフルリモート可の両方が揃った求人は、全体に比べると数が限られます。そこだけを見ていると、応募先が早く尽きてしまう。

1番については、採用する側としては完成度そのものより「この人が入社したら何をしてくれるか」を見ています。テンプレートをなぞっただけのものは、正直かなり伝わってしまう。逆に、粗くても考えた跡が見えるものは印象に残りました。

📌 関連記事:未経験からでも大丈夫!ポートフォリオで自分のスキルをアピール — 1本目に何を作るか迷ったら、こちらを見てみてください。

📌 関連記事:未経験Webデザイナーの書類選考|通過する人としない人の差 — 2番の段階でつまずきやすいのは、実は書類のほうです。

学び方は、独学でもスクールでも構わないと思っています

独学で転職している人は実際にいます。ただ「自分で学習を設計して進められる」という条件は、思っている以上に大きいです。私自身、未経験のころは情報が多すぎて手が止まった時期がありました。今振り返ると、かなり効率が悪かったと思います。

在宅を目指す人の場合、学習の段階から一人で進める練習になる、という見方もできます。一方で、そこで止まってしまうくらいなら、伴走してくれる相手がいたほうが早いこともある。どちらが正しいという話ではなく、自分がどちらで止まりやすいかで決めるほうが後悔しにくいと感じています。

📌 関連記事:Webデザイナーになるには独学とスクールどっちがいい?転職経験者が実体験で徹底解説 — 判断軸ごとに、どちらが向くかを比較しています。

もし「一人だと止まりそう」という自覚があるなら、オンラインで完結する形を選んでおくと、学習の進め方そのものが在宅の予行演習になります。いきなり決めなくても、話を聞いてみるだけで十分だと思います。

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在宅で働き始めてから、じわじわ効いてくること

在宅にたどり着いたあとの話も、少しだけ書いておきます。ここは意外と語られないのですが、入ってから差が出やすい部分です。

現場では、デザインを作れることと同じくらい、作ったものを言葉で説明できることが求められます。同じ部屋にいれば画面を指さして済むやりとりが、在宅だと全部テキストか通話になるからです。「なんか違う」と言われたときに、どこが違いそうかを自分から言語化して返せるかどうかで、進み方がかなり変わります。

修正対応も同じです。修正を嫌がらない人は、離れていても信頼されやすい。逆に、指摘への反応が見えない時間が長いと、こちらは不安になります。スキルの問題というより、返し方の問題であることが多いです。

自己管理の話は、精神論にしないほうがいい

「在宅は自己管理が大事」とよく言われます。その通りではあるんですが、気合いでどうにかする話にしてしまうと、うまくいかなかったときに全部自分のせいになってしまいます。

実際に効くのは、もっと物理的なことのほうでした。座る場所を仕事用に固定する、画面の高さを合わせる、作業を始める時刻を決めておく。地味ですが、後からじわじわ効いてきます。

📌 関連記事:Webデザイナーのデスクツアー2026|MacBook Air+Dell 4Kで組んだリアルな作業環境を全部見せます — 実際に自分が使っている環境を、そのまま公開しています。

📌 関連記事:インハウスデザイナーはつまらない?事業会社の中で起きていること — 会社に所属して働く場合、仕事の中身がどうなるかはこちらで書きました。

よくある質問

Q:未経験からいきなりフルリモートのWebデザイナーになれますか?

A:不可能ではないと思いますが、求人の数がかなり絞られます。未経験可とフルリモート可が両方揃った募集は、全体に比べると数が限られます。採用側の事情としては、教える手間が対面のほうが小さいという理由が大きいです。出社を含む形で入って、在宅の比率を後から上げていくほうが、応募先の数という意味では現実的です。

Q:面接で「在宅希望」と言うと不利になりますか?

A:言うこと自体で不利になった記憶はありません。差が出るのは理由のほうです。「通勤したくないので」だけだと、こちらが判断する材料が足りない状態になります。集中して作業したい、この時間帯を確保したい、といった具体が添えられていると、受け取り方はかなり変わります。

Q:求人票に「リモート可」と書いてあれば、入社後すぐ在宅で働けますか?

A:会社によって運用がかなり違います。試用期間中は出社、というただし書きが付いていることがあります。週に何日か、全社の制度か部署ごとの運用か、実際に在宅で働いている人が社内にいるか。この3つは面接で聞いても失礼になりませんし、聞く人のほうが働き方を具体的に考えている印象を持ちます。

Q:在宅で働くために、特別なスキルは必要ですか?

A:デザインそのもの以外だと、説明する力が効いてきます。同じ部屋にいれば画面を指して済む話が、在宅だとテキストか通話になるためです。「なんか違う」と言われたときに、どこが違いそうかを自分から返せるかどうか。現場では、ここで進み方が変わる場面をよく見ます。

まとめ|「在宅で働く」より「任せてもらえる状態になる」を先に

AKIAKI

在宅が難しいのは事実です。ただ、その難しさは「才能が足りない」という種類のものではないと思っています。

📝 要点
  • 「在宅は難しい」には、雇われて在宅で働く難しさと、フリーランスで仕事を取り続ける難しさが混ざっている
  • 会社が在宅を任せるかどうかは、情報の持ち出しと教育コストの問題。未経験に厳しいのは、信用されていないからではない
  • 面接で在宅を希望すること自体は不利にならない。差が出るのは、理由に具体があるかどうか
  • 「リモート可」の一言には幅がある。週の日数・試用期間の扱い・実際に在宅の人がいるかは、応募前に確認できる
  • 最初のゴールを「在宅で働く」ではなく「在宅を任せてもらえる状態になる」に置き換えると、順路が決まる

いきなり全部を変える必要はないと思います。今日できることがあるとすれば、応募を考えている求人の「リモート可」が、週に何日を指しているのかを調べてみるくらいでしょうか。それだけでも、漠然とした不安が具体的な条件に変わります。

小さく動いたぶんだけ、判断できることが増えていきます。焦って決めなくて大丈夫です。

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